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小暮式1分間ゴルフ
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PFGAのゴルフルール講座④〜止まっている球が動かされた場合〜

2017年1月23日

皆さん、
こんにちは。藤原慶昌です。

さあ、今回のルール講座は、前回考察した‘DJルール’の後編と言える内容です。

やはりラウンド時、インプレー中のボールが何らかの理由で動いてしまう事はあります。
そしてボールが動く理由も様々あって、、これはどうすれば、、?と処置に悩んだ事がある方もいるんではないでしょうか?

今回はそういった様々なケースに全て対応し、正しい処置がとれるように、

ゴルフ規則18
“止まっている球が動かされた場合”

の内容を参考に、状況に応じた正しい処置の仕方を分かり易く解説していきたいと思います。

ではいきましょう。

まず球が動かされた理由には、
球が動いた際の原因とされる‘対象’によって、その処置の仕方と罰打が変わってきます。
‘対象’は大きく3つに分類されます。

◇止まっている球が
局外者により動かされた場合
プレイヤーにより動かされた場合
自然により動かされた場合
以上、対象3つです。

では対象3つそれぞれの具体例、また処置の仕方と罰打を考察していきましょう。

*局外者により(規則18-1)
まず局外者とは?
同伴競技者、動物、鳥、他のプレイヤーのボールetc……の事です。
止まっていた球が局外者によって動かされた場合、動かされた球のプレイヤーに罰打はありません。
動かされた球は無罰で元の位置へリプレースします。
起こり得るシチュエーションとしては、
‘グリーンオンしたAさんのボールにグリーン外から打ったBさんのボールが当たる’
ケースがあります。
この場合、Bさんのボール(局外者)により、Aさんのボールは動かされた事になりますから、
Aさんのボールは無罰で元の位置へリプレースします。Bさんのボールはそのままでプレー続行となります。

*プレイヤーにより(規則18-2)
この対象とは厳密には、
‘プレイヤーかパートナー、またそのどちらかのキャディー’
の事です。
またこの対象者の‘携帯品’が球の動く原因となった場合も止まっていた球がプレイヤーにより動かされた場合に該当します。
この携帯品の定義は、
プレーヤーによって(または、プレーヤーの為に)使われたり、身に付けられたり持ち運ばれている全ての物 を指します。つまり、
・プレイヤーのゴルフクラブ
・プレイヤーのキャディバック
・プレイヤーのキャディバックの積まれたカート
などの事です。
止まっていた球がプレイヤーによって動かされた場合、動かされた球のプレイヤーに1罰打が付与されます。
またその場合、ボールは元の位置へリプレースとなります。
例えば、ラフでボール捜索中に自分のボールを蹴ってしまったら、1打罰を加え、元の位置へリプレースしてプレー再開です。

*自然により(規則18-2b)
この対象は上記の‘対象者・対象物’に当てはまらない事例、所謂‘自然現象’が該当します。
例えば‘地震の揺れによりボールが動いた’はこの範疇に入ります。
最も代表的なケースは、やはり風でしょう。
‘グリーン上にあるAさんのボールが突風により動いた’
風は局外者に含まれない為、ボールはあるがままとなります※(規則18-2b)。
よってこの場合、Aさんのボールは風によって動かされ止まった位置から無罰でプレー再開となります。
元の位置にリプレースではありません。

※このケースはゴルフ規則18-2bが2012年に改定されたルールです。
ルール改定前の規則では、
プレーヤーのインプレーのボールがアドレスした後で動いた場合は、例外なく風が原因でも、
‘プレーヤーはその球を動かしたものとみなされ、1打の罰を受ける(ボールは元の位置へリプレース)’事になっていました。プレイヤーにより動かされた場合の処置と同じですね。
それが2012年のルール改定後の同規則では、
‘プレーヤーが球を動かす原因となっていないことが分かっているか、ほぼ確実な場合、規則18-2bは適用しない’という例外規定が設けられました。

これにより、改定前と改定後では処置がかなり変わってきます。
例えば、
case1:グリーン上でのAさんがパッティングアドレス後。ストローク前に何らかの理由でアドレスを解き、ボールをマークせずに仕切り直しや再度ラインの確認をしたとします。
そしてその最中に、予期せぬ突風が吹きボールが動いた場合、、

改定前の処置だと……
Aさんがボールが動いた事に関与していなかったとしても、ボールをマークして取り上げていない限りアドレスの状態が継続するという解釈の下、1罰打が科される事になります。
従って、改定前のルールでは、グリーン上のボールが動きそうな程の強風時のプレー、またはボールが極めて不安定な状態にある時は、アドレスを解くだけではなく、度々ボールをマークし直す必要がありました。

それが改定後の処置だと……
アドレスを解きボールから離れ、再度ラインを確認している段階で、ボールはマークせずとも、プレイヤーはボールに関与していないと判断でき、プレイヤーが球を動かす原因となっていないと分かるので、無罰でボールが止まった位置からプレーを再開できます。

このようにルール改定後の処置では、動きそうなボールに対して、過度に気を配る必要性が格段に減りました。
しかし、このルール改定は、
プレーヤーが球を動かす原因となっていないことが分かっているか、ほぼ確実な場合、
という曖昧な定義付け故に、依然として適用に困惑する状況があります。
前回のルール講座で考察した、ダスティン・ジョンソンのケース(PFGAのゴルフルール講座③〜DJルール改正)http://ameblo.jp/pfga-yoshi/entry-12239231028.htmlも、このルール改正が待つ、解釈の難しさを露呈した結果と言えます。
あの時は球が動くほどの風は吹いていませんでした。
では球が動いた原因はなんだったのか?
適用基準が曖昧な為、ジョンソン選手が球を動かす原因となっていない事を立証するのはかなり困難です。
球が動いた際の彼の動作がアドレス前か後か?つまりパターヘッドをソールしたかしないか?しか判断基準がありませんでした。
故に拗れました。

よって改正されたDJルールは、
“意図せずして偶発的にグリーン上でボールが動いた場合は、無罰で元の位置にリプレースできる”
つまり、
“故意でなければ無罰でリプレース”
出来ますよ、という事ですから、この改正されたゴルフ規則18-2bをさらに具体化したような内容になっています。

確かにシンプルに統一されました。
今後はDJルールのようなルールトラブルが、少しずつ解消されていくかもしれませんね!!
またそうあって欲しいと思います。

以上、止まっている球が動かされた原因とされる対象3つです。
最後におさらいしましょう。

止まっている球が動かされた原因とされる対象
*局外者
罰打:無罰
処置:ボールを元の位置へリプレース

*プレイヤー
罰打:1罰打
処置:ボールを元の位置へリプレース

*自然
罰打:無罰
処置:ボールはあるがままプレー

少なくともこの‘対象車・対象物’と処置の方法が理解出来ていれば、ある程度は状況に応じた対応が出来ると思います。

………………規則要旨……………

◯規則18 止まっている球が動かされた場合
18-1 局外者により
止まっている球が局外者によって動かされても罰はなく、その球はリプレースされなければならない。
注:球が局外者によって動かされたかどうかは事実問題である。この規則を適用する際は局外者が球を動かしたことが分かっているか、ほぼ確実でなければならない。
〜以下省略
18-2 プレーヤーやパートナー、またはそのキャディや携帯品により
規則によって認められる場合を除き、プレイヤーの球がインプレーの場合で次のときは、プレイヤーは1打の罰を受ける。
(ⅰ)プレイヤーかパートナー、またはそのどちらかのキャディが次のことをしたとき。
•球を拾え上げたり動かしたとき。
•故意に球に触れたとき(アドレスの際にクラブが球に触れたときを除く)。
•球の動く原因となることをしたとき。
(ⅱ)プレーヤーやパートナーの携帯品が球の動く原因となったとき
球が動かされた場合、その球はリプレースされなければならない。ただし、プレーヤーがストロークを始めた後やストロークのためにクラブを後方へ動かし始めた後に球が動き、その球をストロークしてしまった場合を除く。
〜文中省略
18-2b (アドレスしたあとで動いた球)が削除された。これは球がアドレスしたあとに動いた場合、規則18-2に基づく罰の適用は、単にプレーヤーが球を動かす原因となったかどうかに基づくことになることを意味する。

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