練習して上手くなる人、練習しても上手くならない人の違いとは?
今回のテーマは、練習して上手くなる方と練習しても上手くならない方の違いを解きたいと思います。
その日の調子を維持するだけの練習、目先の調整では、真の実力を磨くことは難しいでしょう。
簡単に言うと、練習しても上手くならない方は、自分自身の現状が理解できていない、どのような練習を取り組むと上手くなるか分からない方と言えます。
今回の設問は、より具体的な内容となっています。是非、ドリルを通じて、上達を目指していきましょう。
【設問】※通常、使用クラブは7番アイアンです。
1.左ワキにヘッドカバーをしたままスイングできます(はい・いいえ)
2.右ワキにヘッドカバーしたままスイングできます(はい・いいえ)
3.左脚一本で立ち、スイングが出来きます(はい・いいえ)
4.右手一本でSW20ヤード打てます(はい・いいえ)
5.左手一本でSW10ヤード打てます(はい・いいえ)
6.スプリットハンド(両手を離したグリップ)でスイングできる(はい・いいえ)
7.クロスハンドグリップ(左腕を下にしたグリップ)でスイングできる(はい・いいえ)
8.テーアップしたボールをSWで打てます(はい・いいえ)
9.テーアップしたボールを5Wで打てます(はい・いいえ)
10.通常よりボール一個内側、中側に置いたボールが打てます(はい・いいえ)
11.通常よりボール一個外側、中側に置いたボールが打てます(はい・いいえ)
【解答】
1.はい。バックスイングで、アウトサイドに上がると打てません。スライサー修正。
2.はい。ダウンスイング、インパクトで離れる方は打てません。左へのミス修正。
3.はい。アッパーブロー、インパクトで両肘が引ける方、飛距離アップに効果大。
4.はい。フェースコントロールとハンドファーストが可能です。
5.はい。左サイドが浮くトップボールや、インサイドアウト軌道が修正できます。
6.はい。インサイドインの軌道確認、アリーリリースからのダフリを修正できます。
7.はい。フェースローテーション、左サイドの浮きを修正でき、方向性が改善されます。
8.はい。通常はやや左に飛びます。打ち込むタイプはテンプラに、スピン量が安定せず距離感が一定となりません。
9.はい。右サイドがボールに向かう、インパクトでフェースをねじる打ち方を修正できます。
10.はい。スイングが正しければ、インサイドインでドローボールが打てます。
11.はい。スイングが正しければ、アウトサイドインでフェードボールが打てます。
【解説】
なぜ左ワキがスイング中、空いてはいけないのか? 練習場で一度は見かけたことがあるこのドリル、本当はどんな効果があるのだろうか? 実は2011年マスターズでも、この光景を見たことがありました。彼は、SWから1Wまで、挟んだままスイングしていました。
■左ワキを空けない効果は?
一つは、バックスイングでアウトサイドに上がる方を修正します。これでは、ダウンススイングの軌道が安定せず、スライスやヒッカケの要因となります。
一つは、インサイドアウト軌道の修正です。プロや上級者は左を嫌い、インサイドアウトにスイングしてしまう傾向があります。左ワキのドリルは、ここを修正することが出来ます。インサイドアウトすぎるスイングは、インパクトでのフェースローテーションを伴い左へのミスにつながります。
■右ワキを締めるとは、どのような効果があるのか?
まず、右ワキを締める事と、右肘をたたむことは違います。右肘を伸ばしたまま、右ワキを締める感覚が重要です。単に右ワキを締めるだけでは、最大アークからの飛距離アップができません。また、ダウンスイングをインサイドから行うためにも、右ワキを締める必要があります。
そして、最大の効果は、インパクトフォローの右ワキ締めです。右ワキ締めは、クラブ軌道をインサイドインにして、角運動を伴いボール初速を上げる事が出来ます。
極端なインサイドアウトでは、遠心力を上げることは不可能です。遠心力を2倍にするには、拮抗する向心力を2倍にする必要があります。この観点からも、インサイドインの右ワキ締めが重要となります。
■左脚重心の意味するところは?
ボールよりも、重心が前にあることは、インパクトでハンドファーストに打ちやすく、正確なインパクト、方向性を得やすい利点があります。また、バランスをとるために、スイング軌道は左脚を1軸としたインサイドインになります。これにより、ボールの捕まりがよくなります。また、スイング中の軸ブレが防げるので、ボールコントロールとスコアアップが期待できます。
■右手一本でも難しい?
利き腕のスイングは、簡単でしょう? そのようにお思いの方は、是非実践してください。大切なのは、毎回行うことです。
右手のフィーリングは、その日によって違います。微妙にずれることにより、繊細なタッチが狂います。フェース面のキープ、スイング軌道、ハンドファー―ストインパクト等、調整しなければいけない事が、沢山あります。朝の一番、調子が安定しない時だからこそ、この手の練習で感覚を研ぎ澄ませる必要があります。
■左腕一本で打てたら、70台?
ゴルフは左腕のリードが大切と良く言われています。しかしながら、その練習を重ねている方は実に少ないと言えます。
右手は利き腕、左手は不器用と思いがちです。ゴルフでは、リードする左腕が方向を司ります。
また、狭いホールや緊張した場面では、繊細な右手の感覚ほど、狂いが生じます。他方、鈍い左腕の感覚は、習得が難しい反面、一度覚えると、同じような動きを何度でも行えます。鈍さは、プレッシャーにも鈍く、強いと言えます。
また、体を開きやすいスライサーにとっては、左肩を開かない左手打ちは効果が期待できます。そして、アプローチのフェースにボールが乗る感覚は、左腕で出します。強くもソフトにもスピードをコントロールする為に、左腕を使用します。
■スプリットハンドはインサイドダウンの特効薬?
通常、両手を離した状態では、ダ振るか、左へ行くかと思います。
これは、右腕が強い為と言えます。右手の角度をキープしたまま行う事により、上記に2つは修正できます。問題はインサイドダウンでしょう。アマチュアの大半はアウトサイドインで悩んでいます。これは、右サイドの上腕が強く、前に出て、ボールをヒットしてしまうからです。今回のドリルでは、右肘が右のポケットにぶつかるように、真下に下ろします。このような感覚を身に付ける為にも、スプリットハンドが重要となります。
そして、この先に通常のグリップでもインサイドダウンを行いたいと思います。
通常のグリップでは、左肩に引っ張られて、右サイドが前に出やすくなりがちです。
右肘を身体の近くを通すだけでなく、左サイドの柔軟性も理解しましょう。
■クロスハンドは、プロでも難しい?
インパクト付近でアッパーブローに打つ方には難しいと言えます。例えば、スライサーは、右にいくので、フェースをシャット(閉じ気味)に使います。この後、インパクトでボールを上げる為、アッパーブローにスイングする傾向があります。閉じたフェースで、ボールを上げに行く。このこと自体がゴルフを難しくしています。
クロスハンドでは、左サイドが浮くと、ボールに当たりません。また、フェースの開閉も抑えられます。因って、スイング中のフェースが安定して、本来の軌道を導きやすくなります。過度の調整は、返ってゴルフを難しくしてしまいます。クロスハンドでシンプルに練習しましょう。
■テーアップドリルとは?
通常のマットでは、多少手前から入射しても、ボールにあたります。
しかし、このドリルでは、ボールの下のクラブが入るので、距離感が安定しません。
習得法として、右サイドを下げない、右手角度を維持、右肘の長さを変えないままスイングすることです。これにより、打点が安定します。
■ボールポジションの変化は、ボールコントロールの極意?
スイングを変えるのではなく、ボールポジション変えるだけで、ドローとフェードを打ち分けられます。ここが今回もポイントです。
ドローのイメージは、MOREバックスイング&LESSターンです。
フェードのイメージは、MOREバックスイング&MOREターンです。
ボールを内側に置くことは、インサイド軌道、フェースオープンと合致してドロー回転が掛かります。また、ボールを外側に置くことは、アウトサイドイン軌道、シャットフェースと合致してフェード回転が掛かります。
以上です。
皆さん、今回の内容はいかがでしたでしょうか?練習場で出来る簡単なドリル、毎回11個のドリルを行えたら、確実に上達します。大切なのは、目的意識と根気です。簡単な事ほど継続が難しいものです。