@PFGAinterlessonさんをフォロー
小暮式1分間ゴルフ
【小暮式1分間ゴルフ】, 【激選】, ゴルフ用語

【PFGAジュニア育成応援基金の為のメルマガ抜粋】「小暮式1分間ゴルフ134」

2019年10月9日

トレーニング「クイック4クォータースジャンプ」

今回はトレーニング論をお届けします。
ご紹介するトレーニングは、「クイック4クォータースジャンプ」です。

◇クイック4クォータースジャンプ
1.障害物の横に立ちます(直径約20cmのマーカーコーン)。
2.両脚を揃えて真横へジャンプ、障害物を越えていきます。
3.着地と同時に横ジャンプ、1の状態に戻ります。
1~3の動作を止まることなく、連続ジャンプ(10回)していくトレーニングです。
4.1~3の行程を10回行った後は、同様に前後のジャンプを1~3の行程で10回行います。

左右に10ジャンプ、前後に10ジャンプ。
動作中、マーカーコーンを動かしてしまったり、踏んでしまえばやり直り。
ジャンプの回数や正確性、スピード等を競い合う事で効果を高めていきます。

“4クォータース”
直訳すれば、四方に、前後左右に、となります。

また、このトレーニングは別名‘クイックバウンディングジャンプ’とも呼ばれています。
バウンド。つまり全身がバネとなり、前後左右方向にウサギのようにポンポンと飛び跳ねる動作が特徴です。

では次にこのクイック4クォータースジャンプの強化要素を見ていきましょう。

◇下半身・脚力強化
ジャンプ時:一気に膝を伸展。大きく地面を蹴り上げる事で、下肢三頭筋(ふくらはぎ)、足裏、大腿四頭筋等の強化を可能にします。
着地時:膝を屈曲しながら、ジャンプから落下してくる大きなエネルギーを股関節周辺筋肉群、大腿四頭筋等が吸収、同時に臀部筋群、ハムストリング足裏等の強化を可能にします。

◇バランス力養成(体幹強化)
常に鋭いジャンプし続けるには、ブレない体幹とバランス力が必要です。
ジャンプから着地の際の大腿部、下肢三頭筋(ふくらはぎ)、足裏母子球上が衝撃の吸収と次の動作へ移行する為のエネルギーの蓄積を同時に行います。
これにより、下肢筋肉群、股関節周辺筋肉群の強化・柔軟性向上、腹筋群の強化を促し、強い体幹とバランス力の向上を可能にします。

◇瞬発力向上
ジャンプ時に強く現れる膝の伸展。
股関節周辺筋肉群、大腿部、大臀部、下肢三頭筋(ふくらはぎ)、アキレス腱、足裏等が一気に開放、最大に伸ばされる事で瞬発力の向上を可能にします。

以上がクイック4クォータースジャンプの主な強化要素です。
クイック4クォータースジャンプは、鋭いジャンプの連続により、股関節や膝、足首の大きな伸縮を促し、下肢筋肉群の強化と柔軟性向上を可能にします。

そしてここからが本題になります。

このトレーニング最大の強化ポイントであるジャンプとジャンプの間、つまり「着地から次のジャンプへ移行する際に生まれるエネルギー」についての考察です。

皆さん“プライオメトリクストレーニング”をご存知ですか?

プライオメトリクストレーニングとは、筋肉が短時間内に最大筋力(パワー)を発揮出来るようにする、瞬発・パワー系のトレーニングの事です。

筋肉(骨格筋)は、動作中に急激に引き伸ばされると、その筋肉が無意識に収縮しようとする伸張作用(伸張反射)の現象が起こります。

この現象は筋肉の中に存在する筋紡錘という箇所が、過度の伸張により起こり得る筋肉の断裂・損傷など怪我を防ぐために反射的に起こる神経生理的作用です。

つまり筋肉を急激に伸展させる事により、強い伸張反射の働きが生じ、その直後に大きな筋収縮を得る事が出来るんです。

ではどうすれば最大出力の伸張反射を生む事が出来るのでしょうか?

それには、
“筋肉の伸張収縮速度の速さ”
が重要になります。

一例挙げてみましょう。
垂直ジャンプ連続10回。

前者はジャンプ後、しっかりと膝を屈曲し、かかとも地面につけて着地。次のジャンプへ移行します。
後者はジャンプ後、膝の屈曲も浅く、かかとも地面につけずに着地し、素早く次のジャンプへ移行します。
ジャンプが断続的な前者とポンポンと跳ねるようなジャンプの後者に分類しました。

この2つのジャンプにおいて、筋肉の伸張反射が大きいのは後者です。
前者ではジャンプから着地時の接地時間が長い為、大きな伸張反射を得る事が出来ません。
一方の後者はジャンプから着地時の接地時間・接地面が少ない為、筋肉の伸張収縮速度が速く、大きな伸張反射エネルギーを得る事が出来ます。

そこでもう一度、前述のクイック4クォータースジャンプに戻りましょう。
上記の要素から考察すると、
クイック4クォータースジャンプは、筋肉・関節・腱の伸張反射エネルギーを最大限に引き出す事が出来るトレーニングになります。

ある一定距離までできるだけ少ない回数でジャンプする為には、
・1回のジャンプの跳躍力を高める
・着地から次のジャンプへ効率的に移行する
2つの要素が必要です。

大きく下肢筋肉群を伸展し左右前後に跳び、跳び出しから着地までにバランスを調整して、瞬時に次のジャンプへ移行する。
この着地から次のジャンプへ移行する際のバランス力、効率的な動作を高める事が大きな伸張反射を生み出す秘訣になります。

この着地から次のジャンプまでに生まれる最大出力伸張反射のメカニズムを細かく考察しましょう。

1.ジャンプから着地まで
自重と落下する重力エネルギーが大きな負荷となり猛烈や勢いで地面へ向かいます。この負荷を足裏母子球上で受け止めます。
※筋肉・腱の動き
かかと側の筋肉・腱(ふくらはぎ、アキレス腱)は地面方向へ大きく伸展します。
2.次のジャンプへ移行
落ちてきたエネルギーを足裏母子球上で受け止め、バランスを整え瞬時に前方へ跳び出します。
※筋肉・腱の動き
ほどよい膝の屈曲から瞬時に再度、かかと側(ふくらはぎ、アキレス腱、足裏)、大腿部、大臀部、股関節周辺筋肉群が収縮します。

この1.と2.の移行時に理想的な伸張反射が生まれます。
ポイントはエネルギーを足裏母子球上で受け止めた事によって、着地時のかかと側にできたスペースが生み出す、ふくらはぎ・アキレス腱の伸展です。
この伸展により、次のジャンプ前の一瞬にふくらはぎ・アキレス腱が収縮する伸張反射が生まれます。

つまり次のジャンプは、ジャンプ力+着地時の伸張反射エネルギーが同時に動員され、大きな爆発力となってジャンプを後押ししてくれるんです。

故にこのトレーニングは「かかとを一瞬たりとも地面につけない事」「ほどよくバランスの良い膝・股関節周辺筋肉群の柔軟性を兼備する事」が大前提となります。

そして継続して取り組む事で感覚的に伸びて縮む理想的な伸張反射を身につける事が出来ます。

この伸張反射のエネルギー効率はゴルフスイングにおいて効果絶大です。

バックスイングからダウンを見てみましょう。

バックスイング時には、上半身の左サイド(三角筋等肩周辺筋肉群、広背筋等)と右サイド全体(右四頭筋、右側筋等の下肢筋肉群、腹斜筋等の腹筋群、背筋等)が大きく伸びます。

そして腕を振り下ろし、ヒップを左にスライドさせ左脚を伸ばしていくダウンスイングの動きによって、バックで伸びた左上半身と右サイドが縮み伸張反射が生まれます。
このバックからダウンにかけて伸びて縮むエネルギーが大きなパワーとなり、ダウンのスピードを加速させます。

ジュニア達の吸収力は目を見張るものがあります。
彼等はトレーニングを継続して取り組む事により、この伸張反射のエネルギー作用を感覚的に磨き、ゴルフスイングに活かす事で飛距離アップとミート率向上を果たしています。

いかがでしたでしょうか?

ジャンプ一つとっても意識の持ち方で動作の質は大きく変わります。

プライオメトリクストレーニングは筋力の瞬発性、エネルギーの伝達作用を理想的な形で身につける事ができる効率的なトレーニングです。

読者の皆さんにも、クイック4クォータースジャンプのようなプライオメトリクストレーニングを是非実践して頂きたいと思います。

オススメは前述の一例にも挙げました、

垂直連続ジャンプです。

垂直連続ジャンプは、最もシンプルですぐにでも実践が可能なトレーニングです。
注意点は過度に負荷を加えたり、初期の段階から量を増やさない事です。
10ジャンプを1セットとして、これを3~5セットといった具合に、まずは適度な回数と量の中で行うようにしましょう。

この垂直連続ジャンプは、ウォームアップにも適しています。
その理由はふくらはぎにあります。
ふくらはぎは‘第二の心臓’と呼ばれています。
垂直連続ジャンプによって、ふくらはぎを活性化。その周辺の血管を圧迫し、心臓から出て下半身に滞りやすい血液をポンプのように押し返す働きが生まれます。
つまりふくらはぎを活性化させると血行が促進されるんです。

ラウンド前に軽くポンポンとその場で垂直連続ジャンプを20回程行ってみて下さい。
短時間で体が温まる感覚を得られるはずです。

ぜひ一度、お試し下さい。

Tag : , ,

Leave a Comment

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

*

*

1分間で上達するメルマガ

     

© HIRONORI KOGURE. all rights reserved.